財務諸表を作成するために必要な組替表とは何か

決算の締め後にまず行う作業が財務諸表の作成です。どんな企業であれ決算公告は会社としての義務であるため、財務諸表は必ず作成しなければいけません。

帳簿さえきちんとできていれば、BS, PLの形を作ること自体はそれほど難しいことではないのですが、表示する科目を規則に従って過不足なく並べるというのは知識や注意力が必要なことになります。

開示科目の変動が大きくない企業であれば、毎回同じ科目で財務諸表を作成すればいいのですが、増減が激しい企業の場合、別掲が必要となる科目がないか確認が必要ですし、逆に、重要性が低ければ「その他」にまとめて表記することの検討も必要です。

今回は財務諸表作成の基礎資料として作られる「組替表」について説明して行きます。

組替表について

勘定科目体系について

会計システムに登録している勘定科目というのは、自分たちの仕事がやりやすいようにどの会社も的自由に決めています。例えば、本社と支店の小口現金を管理するため、会計システムには本社・支店用に小口現金勘定を次のように設定します。

勘定科目コード 勘定科目名
1011 小口現金-本社
1012 小口現金-A支店

また、預金残高についても同様に銀行別の残高管理をしやすくするために、銀行口座別に勘定科目を用意するのが普通です。

勘定科目コード 勘定科目名
1021 X銀行当座
1022 Y銀行普通
1023 Z銀行普通

他にも売掛金であれば支店別の勘定を作成したり、棚卸資産であれば事業別の科目を作ったりもします。よって、勘定科目体系というのは会社の歴史やビジネスによって千差万別であり、どの会社も全く同じ科目で経理処理を行うということはあり得ません。

組替表

ある会社の資産勘定の科目体系が次の通りであったとします。

貸借対照表にこれらの科目を全て記載することはありません。会社独自の科目名を付けている場合、財務諸表の読み手が理解できないからです。従って、会計のルールに従って(業種によっては業法にも表示科目の決まりがある)表示科目に各科目の金額を集約する必要があります。

例えば小口現金と銀行預金は「現金及び現金同等物」として表示することになります。よって、会社で定めた下の5つの科目はすべて合算したうえで「現金及び現金同等物」として貸借対照表上に記載しなければなりません。

このように、帳簿に設定した科目と財務諸表に表示するための科目に変換する作業が必要となります。そして変換作業を行うためのワークシートとして「組替表」を作ることになります。

例えば次のような形で作成します。

<組替前>の勘定科目の隣に組替コードを付与し、その組替コードを元に<組替後>の金額を集計しています。集計には、SUMIF関数を使うと便利です。このように作成した<組替後>の金額を元に財務諸表を作成していきます。

まとめ

会計監査を受ける会社の場合、会計システム上の科目と財務諸表とのつながりを確認するために組替表の提出を求められます。何となく組替表を毎回作成している会社も多いかと思われますが、組替表を作成するタイミングでBS, PLに表記する科目を検討することが必要です。

殆どの場合、前回の表示科目をそのまま使うことになりますが、イベントによって特定の科目が極端に大きくなった時には別科目として表記する必要があります。何となくの作業で終わらせるのではなく、正しく科目の表記がされているか確認しながら組替表を作成する必要があります。