『ちょっと今から仕事やめてくる』 ~ 日本人の労働観を考える


何となく小説を読みたいという気分で文庫本コーナーを歩いていて見つけたのが本書です。最近は働き方改革などと声高に叫ばれていますが、役人達がこういうスローガンを打ち立てて何かやろうとすると、途端に胡散臭さみたいなのが感じられて白けてしまいます。

中身が無いというか、掛け声だけというか。じゃあ具体的に働き方改革とは何をすることなの。残業を減らすこと?有給の取得率を上げること?同一労働同一賃金?労働市場の流動化?などなど日本の労働環境は問題が山積みなのは誰もが知っていることですが、働き方改革で何を解決しようとしているのか私には不明です。

というわけで最近は労働観みたいなのに敏感だったので、タイトルにひかれて買ってしまいました。

かなりのヒット作

前置きが長くなってしまいましたが、本書は事前情報も何もない中でタイトル買いしたのですが、インターネットで調べたところかなり売れた本だったみたいです。なんと映画化までされているではないですか。偶然でも自分の知らないヒット作と出会えたことは、はぐれメタルを見つけたような感覚です。

Amazonで漫画本も見つけました。でも、登場人物のイメージが自分の思っていたのと違います。主人公の隆(たかし)はもう少し暗くて冴えない感じの男で、ヤマモトは短髪でゴリマッチョみたいなイメージを持っていました。ヤマモトは歯磨き粉スマイルと何度も書いてあるのだから、少し濃い目の顔にさわやかさがあった方が良かったのではと感じてしまいました。

主人公の隆の顔が表紙です。もっと子供っぽくていかにも自殺しそうな雰囲気の顔がイメージだったのですが…

読んでみて

タイトルから想像していたのは、物語の前半にはあっさりと会社を辞めてその後の話が中心かと思っていたのですが、そんなことは無く隆(たかし)が会社をなかなか辞めない。少しイライラしてきます。

ここまで会社にしがみつく人はあまりいないのでは?と思うのですが、実際はどうなのでしょう。新卒で入社して1つの職場しか経験していないと、外の様子が分からないため転職するのが少し怖い気がするのは分かります。が、それにしても決断が遅い。

会社で働くことに何故こだわる

最近の自分は会社で働くことに意味が見いだせなくなってきています。起業やフリーランスといった言葉が一般的になった現在、会社に所属して働かなくてもいいのではないかと思いが強くなってきました。

本書を読んでいて途中から、自分でやりたい会社を作ってみればいいのにと思ったりしました(自分は会社勤めなのは棚に上げています)。結局最後は、会社にこだわる必要はないという考えに至り辞めてしまうわけなのでよしとしましょう。

海外ニートっていたよね

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、その昔「Job is shit ! ( 仕事なんてクソだろ!)」と言って日本の労道観(労働観)を鋭く突っ込む「ニートの海外就職日記」ブログというものがありました。

私はこのブログが大好きで自分も仕事を辞めて海外に飛び出そうと本気で思っていました。オーストラリア辺りに留学してITエンジニアになると息巻いていました(結局、会社で海外赴任が決まり辞めることなく海外生活ができてしまいましたが)。彼のブログが閉鎖されて非常に残念だったのですが、私の労働観に大きな変化をもたらしてくれたことには非常に感謝しています。

海外の労働環境が必ずしも素晴らしいとは言い切れないですが、それでも日本の労働は少しおかしいということに多くの人が気づいてもらいたいものです。


(DVDの隆の方が自分のイメージに近いです。隆にはやはり、暗さというか悲壮感みたいなものが必要ですね)