経理部門のOJT

経理部に配属された新卒の育成について書いてみたいと思います。

よほど大きな会社でない限り、経理部に新卒が配属されるのは数年に1度くらいの頻度ではないでしょうか。会社によっては新卒採用はせず全て中途採用でまかなっている所もあるようです。OJTの担当者は入社3年目くらいの若手〜中堅社員が任命されることが多いことでしょう。

私はこれまで12年ほど経理で仕事をしてきた中で3名の新卒のOJT担当をしました。以下、OJTを担当してきた中で感じたことを挙げてみます。

なお、私がOJT担当をしていた頃に在籍していた会社は経理部30名弱、全員新卒入社で中途は1名もいない、バリバリの終身雇用な日本の製造業です。会社によっては全く状況が異なることもあるかと思われますが、こういった会社もあるのだという一例として読んでいただければと思います。

新卒が配属されるのは最も忙しい月である

3月決算の会社の場合、経理部が最も忙しくなる4,5月に新卒が配属されるされることになります。当然ながら、この時期、新卒に構ってあげられる時間は全く作れません。よって、簿記や会計の教科書、経理規定や雑誌を読ませるなどして時間を潰してもらうことになります。本来であればすぐにでも教育を開始し、戦力の足しにしたいところですが時期が悪すぎます。仕事を教える時間を取るくらいなら自分の手を動かして作業を進める方が早くましな状況だからです。

しかし、配属された側は全く落ち着かないでしょう。志高くやる気十分で新しい環境に飛び込んで来た中で、仕事を全く教えてもらえず自習ばかりでは不安や焦り、無力感などを感じてしまうかもしれません。

なので配属初日は上司やOJT担当者がしっかりと状況を説明しなければなりません。いつまでこの状況が続くのか、いつからキチンとした教育ができるようになるのかを事前に話しておけば新卒者の精神的負担はかなり和らぐのではないでしょうか。

新卒のバックグラウンドが全く異なる

プログラマーなら情報学部卒の新人が、電子機器などの開発部門であれば工学部卒の新人が、法務部であれば法学部卒の新人が配属されるのは当たり前です。しかし、経理部に配属される新人は必ずしも大学などで簿記や会計を学んだことがないというのは一般的なようです(そういう私も経済学部出身であり会計の単位は8つくらいしか取得していなかったはずです)。

超大手企業であれば会計を専攻した学生や税理士、会計士試験合格者などが経理部に配属されるのかもしれません。しかし、絶対数が少ないためなのか大学から会計を専門に学び経理部で働いている人というのは少ない気がします。

そのため、教育のやり方もバックグラウンドに合わせて全く異なるものとなります。少なくとも簿記3級の知識は必須なのでそのレベルまで理解してもらう必要がありますが、私の場合は実務を中心に教え必要に応じて簿記や会計の一般論を補足する形で進めていきます。資格の勉強は家に帰って取り組んで欲しいと伝えます。新人であれば早く帰れますし向上心もあるため、きちんと勉強しくれます。

配属に計画性がない

とりあえず経理の残業が多くて大変そうだから1名新卒を配属する、などという曖昧な理由で新卒が配属されてくることがあります。日本の雇用システムのどうしようもなくダメなところですね。この場合、新卒にどんな仕事をしてもらうのか、将来的にどのような道を進んでもらうのか、などが全く存在しません。上司に聞いても「人事から話があり人手不足なので1名配属してもらうことにした。後はよろしく。」と言われることになります。

本来、部門全体の負荷を把握し業務を整理した結果、どこそこの業務に1名分人が足りないから配属して欲しいと頼むべきですが、そんな配属は1度たりとも見たことがありません。年齢構成が偏っているとか、しばらく配属していないからという理由で人事が決まっています。よって、新人に何をさせなければいけないのか決まっていないので、自分の仕事の一部を切り出して引き継いでもらっていました。

以下の記事で経理の新人が何を学べばよいか簡単にまとめてみました。参考にしてください。
経理部の新人は何を学べばよいか書いてみた