経理が覚えておくべきExcelのショートカットキー

経理部員が最も使う道具はソロバン・電卓ではなく、会計ソフトでもなくExcelです。これはどの会社でも間違いないでしょう。

個人的な意見ですがExcelの使用は、すなわち”手作業“となり作業ミスの発生や生産性が低くなることから極力利用しない環境(すなわちシステム対応された環境)を目指すべきでありますが、現状そのような環境まずあり得ないため、Excelがないと経理の仕事はどうにもなりません。

従って、新卒者が覚えて欲しいことの第一はExcelの使い方となります。
難しい関数や誰も知らないショートカットをマスターする必要はありません。
誰もが知っている基本操作を体に教え込むことが重要です。

今回は、経理部員が最低限身に付けなければならない必須項目の1つであるショートカットについて書いてみました。

ショートカットキーを覚える

次のショートカットを覚えることは必須です。考えるよりも先に手が動くレベルまで習熟してましょう。すべてをすぐに覚える必要はありません。
実務の中で嫌になるほど使う機会があるので、その中で使いこなせるようになればよいでしょう。肝心なのはショートカットが使える場面では必ずショートカットで処理するように癖をつけることです。

キー操作 機能
Ctrl + C コピー
Ctrl + X 切り取り
Ctrl + V 貼り付け
Ctrl + F 検索
Ctrl + H 置換
Alt + Tab 別ウィンドウへの切替

時々3,4年目になってもいまだにショートカットキーを使わずにマウスでコピー&ペーストしている若手がいますが、仕事のスピードが遅くなるため作業量が増えず成長が周りに比べて遅れてしまっています。
Excelの操作スピードが経理としての絶対的な能力となるわけではありませんが、馬鹿にできないものだと私は感じています。

なぜショートカットキーを覚えなければいけないかというと、経理の仕事は転記作業が大量に発生するからです。
仕訳を作るにせよ、決算説明資料を作成するにせよ元データからシステムやExcelフォーマットにひたすら転記をすることが必要となるのです。
では、なぜ転記が必要かというとシステム間のデータ連携が不十分であるからに他なりません。

次の例は私が実際に経験した転記作業の一例です(以下の例は実際の数値や項目名ではなく架空のデータやシステム構成となりますのでご留意ください)。

例1)購買システムと原価計算システムが連携していないケース

各部門が独立してシステム導入を進めた場合や異なるシステムを使用していた2社が合併した場合など、歴史的経緯はどうあれシステム間の連携が取れておらず、経理が手作業で橋渡し役を行うことがあります。
今回の場合は購買システムと原価計算システムが異なる経緯で導入され両者の連携が取れていない状況となります。

経理がしなければならない作業は次の通りです。

  1. 購買システムから原価計算期間のCSVデータを抽出する
  2. CSVデータをExcelで開き、原価計算システム登録用フォーマットに必要な情報を転記する(原価計算に不要なデータも混ざっているため、それらを取り除きながらの転記作業となる)
  3. 一部のデータはコード体系が異なるため、登録先のマスタに合わせデータを変換する(図の場合、科目→費目の変換)
  4. 登録用フォーマットを保存し、原価計算システムに登録する

実際の作業はCSVデータをExcelで開き、登録用フォーマットも開いて、マウスで範囲選択 → Ctrl+C → Alt+Tab → Ctrl+V → マウスで範囲選択 → Ctrl+C → Alt+Tab → Ctrl+V → ・・・の繰り返しとなります。経理で1年も仕事をしている人なら、この作業をすぐに分かってもらえると思います。

このような作業はどこにでもあるのだと思いますが、明らかに無駄な作業であり人間が行うべきものではありません。
購買システムから原価計算システムに直接データを登録すればいいだけの話なのですが、社内システム部門の工数不足やパッケージベンダーへの外注費支払の承認が下りないなど様々な理由で問題解決が先送りされます。
このような手作業が1つだけであればよいのですが、実際のところ経理のあちこちに存在しており夜遅くまでコピー&ペースト作業が続いているのが現状です。マウスでコピー&ペーストなどしていた日にはいつまで経っても家に帰れないことになってしまいます。

例2)決算説明資料の作成

こちらもよくあるケースだと思います。
会計システムなどから直接決算説明資料を出力できれば良いのですが、システムから出力される標準的な帳票は経理のための確認資料でしかなく経営者が見ても普通は役に立たないものです。
システムを導入しようとしても、経営者の要望により頻繁に表示スタイルや表記が変更されるため無駄な投資となってしまいます。
私は過去、下図のような流れで資料を作成してきました。

ここでもやはり転記作業が大量に発生しています。
さらに表示単位を円から千円単位へ変換、売上明細から数値を転記するなども必要となってきます。

まとめ

私の経験では、入社してから最初の数年間はとにかく転記転記の連続で1日の大半がCtrl+C、Alt+Tab、Ctrl+Vを入力し続ける毎日が続きました。
このような手作業は間違いの元となりますし、なにより時間がかかってしょうがないのですが、他にやりようもないので仕方なく入力していました。転記のし過ぎで腕や肩を壊してしまう人の話を時々聞くので調子に乗って無茶はしないようにしましょう。